研究者業績
基本情報
- 所属
- 愛知大学 地域政策学部 教授(兼任)中部地方産業研究所 所員(兼任)経営総合科学研究所 所員
- 学位
- 博士(理学)(2010年3月 筑波大学)修士(理学)(2005年3月 筑波大学)学士(理学)(2003年3月 筑波大学)
- 研究者番号
- 60601044
- J-GLOBAL ID
- 200901059837488039
- researchmap会員ID
- 6000002247
- 外部リンク
研究分野
2経歴
5-
2018年4月 - 現在
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2013年4月 - 2018年3月
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2011年4月 - 2013年3月
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2010年4月 - 2011年3月
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2007年4月 - 2009年3月
学歴
2-
2003年4月 - 2010年3月
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1999年4月 - 2003年3月
委員歴
35-
2024年4月 - 現在
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2024年4月 - 現在
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2024年4月 - 現在
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2024年 - 現在
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2024年 - 現在
受賞
2論文
81-
International Journal of Historical Archaeology 29(1) 72-85 2024年8月7日 査読有りAbstract Capsicum peppers are among the oldest domesticated crops in the Americas. Columbus introduced them to Europe, from where they spread to the Far East via Africa, South Asia, and Southeast Asia. However, the details of how Capsicum peppers were introduced into the Asia–Pacific region and their subsequent dispersal remain unknown. Therefore, we investigated the genetic diversity and relationships of Capsicum frutescens in the Asia–Pacific region through restriction site-associated DNA sequencing (RAD-seq) and the sequencing of a variable chloroplast genome locus. The RAD-seq analysis showed that three accessions from Japan are most closely related to those from the Americas and Micronesia, and are distant from most of those from islands and continental Southeast Asia. Although C. frutescens has two chloroplast haplotypes (T and TC), only the T type was found in the Americas and Japan, whereas both types were distributed in other regions. Therefore, we postulate that some C. frutescens accessions were introduced into the Asia–Pacific region from the Americas via the Pacific dispersal route, whereas only the T type was introduced into Japan. Evidence for this Pacific dispersal route of C. frutescens could lead to a reconsideration of the dispersal routes of other crops native to the Americas.
MISC
83-
愛知大学三遠南信地域連携研究センター紀要 (8) 42-45 2022年7月
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日本地理学会発表要旨集 2022s 177 2022年1.研究目的 本研究は,X県北部に位置するA市(外国人散在地域)を事例に,外国にルーツのある子どもたちの成育環境と健康状態の関係を,地理学的視点から分析する。 近年,日本への定住を志向する外国人が増えているが,こうした動向を日本社会が十分認識しているとは言えない(いわゆる「顔の見えない定住化」の進行)。外国にルーツのある子どもたちの数も急増している。しかし,日本語学習支援を含め,様々な生活支援を十分に受けられない外国由来の子どもたちも多い。成育環境(ここでは家庭での教育や家族とのふれあい,食生活,生活習慣など)に起因するであろう被害(肥満や虫歯などの健康被害,発達障害など)も,多数報告されている。また,日本語での学習についていけずにドロップアウトする子どもも少なくない。多文化共生社会の構築が求められるなか,外国にルーツのある子どもたちの生活支援は,重要な課題である。 外国由来の子どもが健康的に育ち,また学習言語としての日本語を習得するためには,成育環境が重要である。しかし,外国人世帯では,両親が低賃金長時間労働に従事し,自宅を長時間不在にするケースが目立つ。こうした世帯では,同胞や行政,地域住民からの生活支援が必須である。ただし,すべての地域で十分な支援を受けられる訳ではない。 これまで,多文化共生に関する研究は,おもに外国人集住地域で進められてきた。しかし,外国人散在地域は「見えない定住化」がより顕著であり,同胞による支援も少ない。そのため,当該地域に暮らす子どもたちの成育環境は,外国人集住地域よりも総じて厳しいと予想される。なお,全国の地方都市の多くは,外国人散在地域といえよう。 2.研究方法 本研究の手順は以下の通りである。第一に,X県全域を対象に,外国にルーツのある子どもたちの実態と生活支援の地域格差を分析する。第二に,A市の協力を得て,3歳児健診データの個票を入手・分析する。当該データには子どもたちの健康状態や成育環境が記録されているため,健康状態と成育環境の関係性の定量的分析が可能である。第三に,A市に居住する多様な国籍の子どもたちや保護者に対し,インタビュー調査を実施する。これにより,子どもたちを取りまく成育環境の実態を把握する。なお,A市は工場の期間労働や飲食業に従事する外国人が多い地域である。 3.研究結果 研究の結果,例えば表1で示したような地域格差が確認された。その他の研究成果は,当日報告する。
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日本地理学会発表要旨集 2018 278-278 2018年中心市街地再生論の転換<br><br>低未利用不動産の増加を実態とする地方都市中心市街地の空洞化に対しては,商業振興や都市基盤整備の名目で,これまでも夥しい額の公共投資がなされてきたが,その成果はきわめて限定的であった.こうした現状に対して,近年は中心市街地再生をめぐる政策を批判的に検討し,空洞化を是認する論調も強まっているが,政府は2014年に策定した「国土のグランドデザイン2050」において「コンパクト+ネットワーク」モデルを提示しているように,人口減少や財政難,低炭素化を背景としたコンパクトシティの文脈から,中心市街地再生の立場を継続している.もっとも,政府が掲げるコンパクトシティ政策は,土地利用と施設立地の効率化を追求した中心市街地への機能と人口の〈再配置論〉であり,どうすればそのような配置が可能になるのか,そのような配置にして生業や生活が成り立つのか,そこで望ましい社会や経済が形成されるのか,といった議論は各地方都市の「マネジメント」に丸投げされているといってよい.<br><br>都市マネジメントの可能性:事例報告からの示唆<br><br>では,地方都市にはどのようなマネジメントの可能性があるのか.これまでの中央主導による補助事業に依存した開発志向型の再生手法が,ほとんど成果を生み出せず,もはや依存すべき財源もないという二重の意味で使えない以上,基礎自治体や民間組織のようなローカルな主体が中心市街地という場所の特性を見極め,未利用不動産を利活用して戦略的に場所の価値を高めることが不可欠となる.その際には,高齢化,人口流出,共働き世帯の増加,公共交通網の縮小など,地方都市固有の文脈をふまえることも必要である.<br>本シンポジウムで報告する未利用不動産の活用事例からは,以下の2つの可能性が示唆される.第1に,PPP/PFIや不動産証券化などの市場原理を導入して介護施設や商業施設を開発した事例のように,「低未利用状態でも中心市街地であれば新たな投資スキームを導入することで価値が見出される」という可能性である(菊池報告,佐藤報告).第2に,都市的環境にありながら相対的に地代の安い未利用不動産では,リノベーションによって新規参入者の経営が成立し,賑わいが生まれ,そこに新しい社会関係が構築されるというように,「中心市街地で低未利用状態だからこそ価値が生まれる」という可能性である(久木元報告,武者報告).とはいえ,これによってすべての地方都市が再生にむけて動き出すわけではない.各都市の立地や人口のポテンシャルを考慮すれば,どこかに〈閾値〉はあるはずであり,選択可能な戦略も異なってくる(箸本報告,駒木報告).<br><br>未利用不動産の利活用と新しい幸福論<br><br>本シンポジウムで議論する未利用不動産を切り口とした中心市街地再生論は,同じ再生を目的としながらも,かつてのような国の補助事業に従って計画されたエリア包括的な再生論とは異なる.未利用不動産を利活用を通じて,それぞれの主体が中心市街地という場所の特性をあらためて構想し,商業やオフィスの機能に限らず,居住,福祉,子育てなどの機能を取り込みながら,周辺エリアの価値を高めていく.それは単なる商業振興でもなく,都市基盤整備でもない,個別物件の再生から戦略的に考える都市マネジメントの視点である.こうして再構築される中心市街地での生活風景が,かつての百貨店や商店街が提供した「ハレの場」や郊外における「庭付き一戸建て」に代わる幸福論となり得るのか,コンパクトシティの成否はこの点にかかっているように思われる.
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愛知大学三遠南信地域連携研究センター紀要 5 63-80 2017年12月愛知大学で開催されたシンポジウム『地方創生に向けた地域情報の活用とは』の内容を文字に起こしたもの。パネリストの一人として、地理空間情報の倫理について概説し、今後のオープンデータ化の推進に向けた課題を述べた。
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日本地理学会発表要旨集 2017a 100001-100001 2017年9月近年,「地域再生」,「地方創生」などに代表されるように「地域」に関する取り組みが活発になる中で,これまで以上に「地域」というものが着目されている.それと同時に,学術的な研究成果による「地域」の課題解決または解決につながるような社会貢献が期待されている.「地域」に関する調査研究は地理学の主たる研究分野といえるが,地理学では地表面に現れた事象の発生に至ったメカニズムの解明に主軸がおかれることが多く,必ずしも地理学の研究成果が地域の課題解決に直結しているとは言い難い.そこで本シンポジウムでは,地理学とその隣接分野において「地域」の課題発見から解決に向けた活動に関わってきた方々をお招きし,地域課題の発見から解決までのアプローチについて議論することを目的とする
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日本地理学会発表要旨集 2017 100093-100093 2017年1.研究背景と目的<br>990年代に進められた大型店出店の規制緩和は店舗の大型化と複合化をもたらした。その結果,郊外へのショッピングセンターの立地が多くみられるようになった。そのなかでも,複数の核店舗と専門店街,映画館などのアミューズメント施設を併設した「巨艦店」は,地域経済および生活行動に対し,広範囲にわたって大きな影響を与えてきた。ところで,こうした巨艦店は郊外における農地や工場跡地,高速道路インターチェンジ付近のような場所に多く出店するとされてきた。しかしながら出店場所における過去の土地利用状況を対象とした研究は管見の限りみられない。こうした出店場所の過去の土地利用状況の傾向を具体的に示すことは,巨艦店の出店行動や土地利用政策との関連について考察する際の指標になると考えられる。そこで本発表では,2000年年代以降に出店した巨艦店の出店場所における過去の土地利用状況の特徴を明らかにすることを目的とする。<br><br>2.分析手法<br>まず,大規模小売店舗立地法に基づき出店届出のあった店舗のうち,合計店舗面積が10,000m2以上のものを「巨艦店」としてリストアップし,アドレスマッチングにより緯度経度を取得した。次に,国土地理院「地理院地図」の空中写真・衛星写真データを利用して,出店場所の土地利用状況を判読した。その際の対象年次は,データが全国的に提供されている1974~1978年(一部1979~1983年)とした。<br><br>3.分析結果―九州地方の事例<br>図は,九州地方における2000~2015年度にかけて出店届出のあった全88件の巨艦店を対象とし,出店場所における1970年代の土地利用状況を示したものである。最も多かったのが農地であり37件(42.0%),次に工場が多く18件(20.5%),続いて海域12件(13.6%)となり,上位3種で約8割を占める結果となった。農地については圃場整備などによって区画整理された農地がバイパス道路などの開通によって転用されたケース,工場については移転や閉鎖によって未利用地となった区画を利用したケース,そして海域については埋め立てなどの港湾整備に基づいて生成された区画を利用したケースであると考えられる。また県による土地利用傾向の違いも見られ,たとえば佐賀県のようにすべてが農地であったケースや,沖縄県のように半数が海域であったケースが認められた。このように,出店場所における過去の土地利用状況を分析することで,巨艦店の出店動向を都市化・市街化や地域の開発状況,経済状況,都市政策動向などと関連付けて把握することが可能である。発表当日は,九州地方以外の他地域における状況や現在の都市計画区域・用途地域の指定状況,人口動態などとの関係もふまえながら,分析結果について報告する。<br><br>
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日本地理学会発表要旨集 2017 100157-100157 2017年I. 研究目的と背景 津波からの「避難しやすさ」の程度は,周囲の地理的条件(津波から逃れられる高い標高地点,避難路として活用される道路ネットワーク,緊急避難先として利用される中高層建築物の立地の有無など)に大きく依存する.本研究では,これらの地理的条件に基づく「避難しやすさ」を定量的に評価するジオ・エバキュエイタビリティ指標を用いて,南海トラフ地震による津波被害が予見されている四国地方沿岸部の「避難しやすさ」を評価する.その際に,内閣府「南海トラフの巨大地震モデル検討会」によって公表された津波浸水予測データに基づき,各地の津波高に応じた「避難しやすさ」を明らかにする.<br>Ⅱ. 指標の特性 GE指標は,ある一定の津波高を想定して,浸水するそれぞれの場所からみた「津波が浸水しない場所」までの要避難距離とする.「津波が浸水しない場所」には,津波高を上回る標高地点のみならず,最上階床面が津波高を上回る建築物を含める. ただし,現実には全ての建築物に常時避難できるわけではないうえに,避難人数のキャパシティの問題がある.すなわち,津波高を上回る標高地点への避難が飽くまで第一に優先されるべきであり,建築物への避難は緊急避難的な第二の選択肢として考慮されるべきである.そのため,本稿ではある一定の津波高を想定したうえで①津波高を上回る標高地点への避難,②津波高を上回る標高地点あるいは建築物への避難,の2つのケースを考慮する.すなわち,後者は中高層建築物を避難場所として最大活用できた場合を意味する.<br><br>Ⅲ.ジオ・エバキュエイタビリティ指標の測定 ジオ・エバキュエイタビリティ指標の測定地点は,津波浸水予測データが整備されている50mメッシュ単位とした.同指標は津波浸水高よりも標高が高い場所あるいは建築物にまで到達できる移動距離に基づいて評価される.住民は避難時に道路を移動すると想定して,経路距離を測定した.主な空間データは,道路(デジタル道路地図),標高(基盤地図情報),建築物(ZMapTownII),人口(国勢調査)であり,いずれも全国一律に整備されている. <br>Ⅳ.分析結果 「避難しやすさ」は津波浸水高だけではなく,各測定地点の周辺の地形条件や道路ネットワークによって差異がみられた.津波浸水高が低い地域でも,近隣に中高層建築物がみられない平野部では「避難しやすさ」は低下した.その一方で,津波浸水高が高い地域でも,標高が高い場所までのアクセシビリティが良いために「避難しやすさ」が高く評価された地域もみられた.<br>
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地域地理研究 = Journal of systematic regional geography 22(2) 44-46 2016年12月 招待有り
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日本地理学会発表要旨集 2016 100163-100163 2016年1. はじめに <br> 1998年に施行された中心市街地活性化法は,2006年と2014年の改正を経て,現在に至っている。この法律に対する地理学的な関心の一つとして,「中心市街地」の地理的範囲とその特徴が挙げられる。自治体は認定を受けるにあたり,事業などを行う「中心市街地(以下,中心市街地活性化区域/活性化区域)」の位置および区域を設定する必要がある。しかしながら,区域の規模や設定に関する方法についての定量的な指針などは公表されていない。さらに近年,「コンパクトシティ」や「まちなか居住」などが標題として挙げられるなかで,その区域を拡大するか縮小するかについてはそれぞれの自治体に委ねられている。<br> そこで本発表では,中心市街地活性化区域の設定変更,特にダウンサイジングに焦点をあて,その人口・経済状況を地理学的視点から検討することにした。<br><br>2. 中心市街地活性化区域のダウンサイジング状況<br> 発表者らは,地方都市を対象として未利用不動産の状況に関するアンケートを行った(箸本ほか2014)。回答のあった553自治体のうち,中心市街地のダウンサイジング状況について回答がなされた538自治体についてみると,①「実施」が20(3.7%),②「現在,都市計画など具体的な計画を策定中」が14(2.6%),③「検討しているが,計画の具体化に至っていない」が40(7.4%),④「検討したが取りやめた」が2(0.4%),⑤「検討したことはない」が438(81.4%),⑥「その他」が24(4.5%)であった。このことから,現時点では中心市街地活性化区域のダウンサイジングについてはさほど進んでいないことが把握できる。<br><br>3. ダウンサイジングによる人口・経済状況の変化<br> ダウンサイジングによる中心市街地活性化区域内における人口・経済状況の変化を把握するにあたり,ここでは新潟市(2010年人口:81.2万),岐阜市(41.3万),山形市(17.8万)をとりあげる。いずれも旧中心市街地活性化法に基づく活性化区域のダウンサイジングを行った県庁所在都市である。GISを用いて新旧活性化区域内の人口を算出し,2000年と2010年の比較を行った(表1)。いずれの都市においてもダウンサイジングの結果,活性化区域内人口の規模縮小が行われていた。しかしながらダウンサイジングしなかった場合の活性化区域内の人口密度をみると,新潟市と岐阜市はさほど変わらないが,山形市では新法活性化区域と比べて半分程度となっている。したがって,山形市では中心市街地活性区域のダウンサイジングが有効に機能していると判断できる。<br> このように,新旧中心市街地活性化区域における人口・経済状況を比較することで,ダウンサイジングの効果を定量的に把握可能である。発表当日は,他の人口・経済に関する指標に基づく空間分析の結果について報告する。<br> <br>本研究は,JSPS科学研究費(課題番号:25284170,代表者:箸本健二)による成果の一部である。<br><br>参考文献<br>箸本健二・武者忠彦・菊池慶之・久木元美琴・駒木伸比古・佐藤正志2014.地方都市の中心市街地における未利用不動産の地理学的分析―全国533自治体に対する調査から.日本地理学会発表要旨集254:87.
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日本地理学会発表要旨集 2016 2016年<u>1.研究課題と目的</u><br> 日本においても韓国においても,国土構造として首都への一極集中が指摘され,首都圏と地方都市との格差が拡大している。共に少子高齢化が進行する両国において,地方都市の疲弊は著しく,都市の成立条件や外部環境,地域特性に合わせた持続的な活性化策の構築が必要とされている。その中で日本における地方都市研究では,モータリゼーション,居住機能・商業機能の郊外移転などによる,都市中心部の空洞化問題が注目されやすい。空洞化が進んだ都市中心部では,低・未利用地の増加,人口の高齢化,大型店の撤退問題,生鮮食料品店の不足によるフードデザート問題などが生じ,大きな社会問題となっている。 一方で韓国では,鉄道駅が都市拠点となりにくく,また同一都市内で「旧市街地」と「新市街地」とが空間的にも機能的にも別個に発達しやすいといった日本とは異なる都市構造(山元 2007)が多くみられる中で,バスターミナルに隣接した中心商業地などの更新が比較的進んでいる。そして,地理学の社会的な貢献が相対的に活発であって,国土計画などの政策立案にも積極的に参画する傾向が認められるものの,金(2012)によれば,研究機関が大都市(特に首都ソウル)に偏在し,計量的手法の重視および理論研究への偏重によって,事例研究の蓄積が薄い。 それらを踏まえた本研究の目的は,低成長期における韓国地方都市の都市構造の変容を明らかにすることを目指して,その手がかりとしての土地利用からみた商業地分析の手法を確立することである。なお,今回の報告は調査初年度の単年次のものであり,今後地域を拡大して継続的に研究を進める予定である。<br><u>2.韓国における一極集中と地域差</u> <br> 先述の通り,韓国は首都ソウルとその周辺部への一極集中が顕著である。その集中度は先進諸国の中でも著しく高く,釜山,大邱,光州,大田の各広域市(政令指定都市に相当)との差が大きい一方で,これら広域市と他の地方都市との格差も大きい。 <br><u>3.対象都市</u> <br> 地方都市をどのように定義するのかについては議論の余地があるが,本研究では首都ソウルとその周辺部を除く地域の諸都市を前提とする。今回の調査対象地域としては,韓国南部の慶尚南道梁山市の中心商業地を選定した。梁山市は同道の東南部に位置し,釜山広域市の北側,蔚山広域市の南西側に接している。高速道路で周辺都市と連結されており,さらに,釜山都市鉄道粱山線(2号線)によって,釜山市の中心部とも直接結ばれている。このように梁山市は,釜山大都市圏の一部を構成する都市である一方,工業用地の造成が進み,釜山大学病院をはじめとする医療サービスおよび医療教育の充実した新興都市として独立した勢力があり,人口増加も顕著である(2014年人口:292,376)。 そのうち新市街地は梁山川左岸に位置し,そこに梁山線が2008年に全通し,その終着点でもある梁山駅が開業した。同駅に近接して大型店E-MARTが立地しているほか,計画的に整備された区画に多くの商業施設が集積している。E-MARTに隣接してバスターミナルも立地し,全国各地への路線網を有する。一方,旧市街地は新市街地から見て国道35号線を挟んだ東に位置している。そこには梁山南部市場およびその周辺に生活に密着した小売店舗が集積しており,伝統的な商業景観が形成されている。<br><u>4.調査の方法</u> <br> 今後,韓国の各都市の都市構造の動態的変化を継続的に調査することを目指して,今回はその調査手法の確立を目指す。特に,韓国の商業地における店舗の入れ替わりは日本に比して頻繁で,その新陳代謝が都市を活気づける要因ともなっており,その変化に関心が持たれる。しかし,そうした変化を既存の資料から明らかにすることは難しく,実態調査が求められる。そこで今後,継続的に定点観察することを予定している中で,業種分類の設定の仕方なども重要となる。今回は予備的調査として,事例都市において商業地の調査手法を確立し,その方法を他都市に展開していくことを目指す。
書籍等出版物
42講演・口頭発表等
132担当経験のある科目(授業)
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2022年 - 現在地域と暮らし (東三河看護専門学校)
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2013年 - 現在地域資源論 (愛知大学 地域政策学部)
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2013年 - 現在地域政策とGIS活用 (愛知大学 地域政策学部)
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2013年 - 現在ゼミナール (愛知大学 地域政策学部)
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2012年 - 現在まちづくりとデータ分析 (愛知大学 地域政策学部)
Works(作品等)
1主要な共同研究・競争的資金等の研究課題
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日本学術振興会 科学研究費助成事業 2025年4月 - 2029年3月
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日本学術振興会 科学研究費(基盤研究(C)) 2018年4月 - 2024年3月
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文部科学省 科学研究費補助金(若手研究(B)) 2015年 - 2017年
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日本学術振興会 科学研究費補助金(若手研究(B)) 2012年4月 - 2015年3月
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日本学術振興会 特別研究費(DC2) 2007年4月 - 2009年3月